明学自動車部廃部までの経緯
一部の会員から「自分は廃部のことは知らなかった」「なぜ廃部になったのか、を知りたい」という声が寄せられました。既に4年半前のことで折に触れてお伝えしていたのですが、ここに改めて廃部に至る経緯をお示しいたします。なお、事実関係を明確にするために関係者の氏名は敢えて記載いたしました。
まずはOBOG会の動きから説明いたします。
2011年(平成23年)5月7日に「明学自動車部OB・OG元気会」と銘打って52~68年度生23名が山中湖「湖北寮」に集い、懇親会を行いました。その後も「元気会」としての忘年会等は行われていましたが、今までのOB会では旧態依然で、組織立った運営が難しいことから、2010年台後半頃から新しい組織を立ちあげるための会合を小堤兵吾さん(64年度生)、田口由之さん(65年度生)、吉野正幸さん(66年度生)、小林滋幸さん(68年度生)、谷崎洋一郎さん(68年度生)の有志で行ってきました。

2019年(令和1年)9月28日に「自動車部OB会再興」について特化した会議が行われ、会議を臨時OB会として下記の決定がなされました。
- 従前の明治学院大学体育会自動車部OB会会則は破棄し、新たにOBOGのための親睦会としての会に変更した会則を制定する。
- 運営主体はボランティア活動としての世話人数名とし、監督やコーチ等は廃止する。
- 世話人会メンバーは、代表世話人:1名、副代表世話人:2名、世話人:3名
- OBOG会会員を確定するための調査を実施する。
- 確定された会員に対してOBOG会への入会勧誘および入会金、賛助金の徴収を行う。(新しいOBOG会口座を開設する。)
- 世話人有志で現役自動車部を訪問して現状を把握する。
- 確定した会員にOBOG会趣意書、会則、会員誌「自動車部だより」、入会金払込用紙などを送付する。

現状把握のため、その年の11月2日に小林さん、谷崎さん両名が横浜校舎に赴き現役の活動状況を視察いたしました。
部員は4名で主な活動としては部車(個人所有)の整備のみで、対外試合等には参加していないとのことでした。今後何かあれば連絡するように指示いたしました。

2020年(令和2年)1月7日に部員から「昨年12月21日に体育会総会において自動車部を体育会から除籍する決定がなされました」との連絡がありました。
昨年訪問した際には、そのことには一切触れていなかったこともあり、同日に小林さんから直近のOB会長であった久米誠さん(69年度生)に状況を連絡して、現執行部へのヒアリングを依頼しました。久米さんからは「執行部OBを通じて現執行部の塚平委員長に状況を聞いていただいたところ、数年前から一部部員の素行不良(特に部室内での飲酒)、体育会会議への無断欠席、対外試合への不参加等の体育会としてあるまじき行為に対して何回も改善命令を出したにも拘らず、何の回答もないことは執行部としては看過できず、総会で除籍が決定された。」との連絡がありました。
1月12日に、急遽OB有志の小堤さん、吉野さん、小林さん、谷崎さんと現役部員の岩崎さん、萩原さん両名を交えて会議を開きました。そこでは、執行部の認識には異論はありません。今後はしっかり反省して、OB会の支援をいただいて新生自動車部として再興したいので、体育会除籍は撤回していただきたい旨の上申書を執行部宛に提出することが確認されました。その後の報告では、執行部から決定事項なので撤回は出来ない、との回答があった、と連絡がありました。OB会として、あくまでも現役を支援する立場から当時の大学同窓会会長の中野薫さんに谷崎さんが面談して協力を求めましたが、「状況からして決定事項を撤回することは難しいでしょう。ここは決定を受け入れて将来的に再興することに方針を定めた方が良いと思います。」とのことでした。
そのような状況で体育会除籍は既定路線で、もはや元には戻れないと覚悟を決めるしかありませんでした。その後、2月13日に大学側から体育会除籍を受けて、現在使用している横浜校舎内の部室、車庫ならびに白金校舎内の部室の返還を求められました。この時点で事実上自動車部の解散命令がなされたのです。
話を1985年(昭和60年)に戻します。同年に大学横浜校舎(横浜市戸塚区)が開校して、自動車部の活動拠点は白金(北グラ)から横浜校舎へ移転することとなりました。最後の「北グラ世代」平岩徳久さん(84年度生)の述懐では、部員が白金と横浜に二分され、横浜までの距離と時間という物理的な分断だけでなく、コミュニケーション的にも分断されてしまったことも部活動の衰退の遠因になったのではないかとのことでした。

明治学院大学体育会自動車部の会報誌「湖北」の最終発刊は1997年(平成9年)11月のNo.6であり、当時3年生だった96年度生(入学年度)までの名簿が存在していました。
「湖北」の最終発刊時あたりからOB会の活動は公式にはほとんど行われず、年代別の個別のOBOGの忘年会などの会合は持たれていたようです。
2003年(平成15年)に、学生部から横浜校舎自動車部車庫の廃棄物や車体の処分・整理の強い指導があり、当時のOB会幹事長であった久米さんは現役からの要請もあって、当時のOB会会長であった小幡季暁さん(66年度生)との協議でOB会から処分費用を援助金として拠出し、車庫使用の管理規定などを整備し、現役に部活動専念への約束をさせたそうです。その後、OB会長を引き継いだ久米さんからの現役に対しての連絡は一度のみで、現役との関係が途絶えてしまい、そのこともあって部員名簿の空白期間が生じたようです。長期に亘り一部のOBに依存し、現役との連絡が途絶えたとは言えOBOG個々人が現状把握を怠ったことについては、反省するべきでしょう。

また、2005年(平成17年)頃に全日本学生自動車連盟関東支部(学連)を脱退したようで、公式の対外試合は行われず練習も週一回ほどとなり、体育会執行部からも活動改善策の書面提出を求められていたようです。
話を解散命令が出された頃に戻します。
2020年3月6日横浜校舎にて大学学生課長保高正博さん同席のもと小堤さん、吉野さん、小林さん、谷崎さんに加えて当時の名誉顧問の長野祐三さん(60年度生)と現役学生の岩崎さん、栗林さんで会合を持ち、自動車部の体育会除籍、部自体の解散命令が出ていることを重く受け止めて、そのことを受け入れた上で今後の対応を協議しました。
- 可及的速やかに部室(白金校舎と横浜校舎)と横浜校舎の車庫を明け渡すこと
- 残っている車両、部品その他の器材をすべて撤去すること
- 撤去費用はOB会が全額負担すること
以上をもって最後だけは学生が主体となって撤去作業等を進めることを確認しました。しかしながら作業は遅々として進まず、改めて大学学生部長名で3月末日までにすべてを撤去する旨の最後通知を受けました。
その後、OB会主導で産廃処理業者との打合せ、日程等の調整を経てようやく5月30日に横浜校舎内の部室、車庫の撤去作業が完了しました。

しかしながらこれでは終わらず、2020年12月18日になって大学学生部から、白金校舎の部室がいまだに放置されているため12月26日までに明け渡すことを最終通告されました。OB会の谷崎さんから現役学生の岩崎さんに連絡し、撤去作業を至急行うように指示しました。
12月23日に大学学生課からOB会の谷崎さんに、部室の明け渡しは完了したとして、自動車部の責務はすべて果たせたとの連絡がありました。
以上が廃部に至った経緯とその後の状況ですが、OBOG会世話人会のメンバーとしての意見を申し述べます。
現役学生の不作為や怠慢に廃部の責を一身に負わせるのはやや酷だと思われます。廃部勧告に対して一生懸命に抵抗していたようですが、方法と手段がわからず自暴自棄になっていた感があります。またどこにも相談できなかったようで、OBOG会の存在が希薄になっていたことも一因であるとの認識も共有すべきでしょう。
また、金銭的なことも自動車部維持が難しい大きな要因でした。学校からの資金援助も少なく、教授の支援・協力もなく、部車等の免税が受けられず、競技に出るにしても費用がかかり、部費だけで維持するには学生の負担が大き過ぎたようです。
2020年3月発刊の「自動車部だより」により廃部を知った90年度生OBからのメールでは次のように述べられていました。「当時も部員集めに苦労し、繋ぎとめるためにアメとムチのアメを多めに与えて部を維持していた気がします。自動車部を維持できないことも理解の範囲です。しかし自動車部に在籍していたことが今の自分を形成しています。」
今後復部するための道筋は下記のとおりです。
体育会を除籍になったことで競技名を冠した「自動車部」という団体名称は使用できず、新たな団体名称として「Auto Club(オートクラブ)」をクラブ名としました。

Auto Club活動計画
| 公認(任意)団体認定までのスケジュール |
|---|
| 2025年2月01日 未公認団体設立「Auto Club(オートクラブ)」 2025年2月02日 活動開始(慶應大学自動車部視察とミーティング) 2025年3月19日 安全運転中央研修所 青少年運転者研修受講 2025年3月20日 全関東フィギュア選手権視察 |
| 2025年4月 設立準備団体申請書を4/23に提出しましたが、残念ながら 学生部から不受理の通知がありました。 (下記PDFのとおり) |
| 2026年4月 設立準備団体再申請 |
| 2027年4月 公認団体認定願提出(審査→公認団体認定) ・2学年かつ8名以上の部員 ・専任教員の顧問 ・団体規約 |
2025年度設立準備団体申請書(部員名簿・活動実績)
明治学院大学公式サイト課外活動案内ページへ
クラブ・サークルA~Z(2010年)
明治学院大学体育会規約
2024年8月24日の鈴鹿での全日本学生ジムカーナ大会で、学連理事と学連顧問に明学の学連脱退の経緯などを聞いたところ、脱退ではなく次第に試合に参加しなくなり学連からは自然消滅したということが実態のようで、現在も名簿からは削除されていないことを確認しています。その学連理事によると復部後の学連加入には①の顧問教員の存在は必須とのことでした。
他の大学自動車部も同じような状況で、部員数の減少、高額な部活動の運営費用、部車の確保・維持管理の難しさ等が課題のようです。
ただ、長年休部していて2016年に復活した國學院大學体育連合会自動車部の例もあります。復活した背景にはOBOGの強力な後押しと協力があったようです。自動車部を維持するには、相当の資金負担があるので、OBOG会として今後の事も考え年会費を徴収することを協議する必要もあるのではないかとの一部OBの意見もあります。他大学の事例ですが、広島大学体育会自動車部同窓会では総額400 万円規模の支援金募集を行っています。
自動車部復活を目指している今年の新入生が現れたことを歓迎すると共に重く受け止めて、OBOG会が全面的に支援・協力することが望まれると思います。



